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行く末

行く末

17時56分発の 鈍行列車

車内では 大声を出してはいけない

泣いてはいけない

笑ってはいけない

とでも 思っているかのように

誰もが みな

苦虫を噛みつぶしたような顔をして

あらぬ方を 見ていたり

アイフォンやタブレットを覗き込んでいる

大勢が乗っているのに ひどく孤独を感ずるのは

通いあう思いが 何一つないからだ

窓の外は 雨らしい

日本の寿命がいつまでかは誰も知らない

けれども哀しい日本人が

今後の日本を

みんなが望まない方向へ 舵取りしていることだけは

誰もが気づいている

彼らの哀しい顔にそう書いてある

糸川草一郎